2016年12月17日土曜日

労作日記 後期前半 総括編

 冬本番、労作小屋の薪ストーブには暖かな火が灯っています。そこでは生徒たちが、思い思いに敬和の森からツタを刈り、リースを作っています。
 後期前半の労作の授業は、庭木の剪定、側溝の掃除、畑の土作りや草むしり、さつまいもの収穫、そして球根や、花の苗植え、玉ねぎや、冬野菜の種からの植え込み、などの畑仕事が中心でした。それ以外にも、2年生が中心となった新企画「敬和の会 お茶会用クッキー作り」、修養会準備なども行い、無事に終えることができました。
 ところで、この労作ですが、時折「草むしりは学生がすることじゃない」「雑用は学校が誰かを雇ってやればいいんじゃない?」と言う声が聞こえてきます。確かに他の学校ではこんなことは学生にさせないかもしれません。受験や試験を前にすると時間の無駄のように思えるのも仕方無いでしょう。
 どうして敬和では学生の大事な時間を割いて、労作をしているのでしょうか。敬和を卒業した後、学生は就職をしたり、家族を持ち、社会で何らかの責任を担う場面に出会うでしょう。そこでは「無から有を生み出す力」、「段取り力」、「コミュニケーション力」、さらには「待つ力」「人間力」などが求められます。こうした力は、残念ながら、机の上で勉強しているだけでは身につくものではありません。体を動かし、友達と協力し合い、土に触れ、ボタンひとつでは融通の利かない自然を相手にしていると身につく場合が多いのです。身につかなくてもそういう経験は後で力になります。労作をして、数学の点数は上がらないかもしれません。英語の単語も覚えられないかもしれません。しかし、社会に出たとき、あるいは学校内で学業とは別の悩みを抱えた場合、蒔いた種が実を結ぶために、土を耕すように、水をあげた後、芽が出るのをじっと待つような経験、それが、力を貸してくれます。こうした労作の経験が自身の内側の「人間力」となって培われています。最も目に見えない力、土台の部分として育っていきます。
 私たちは「瞬時に目に見える報酬が得られる時代」「目に見える評価を求められる時代」に生きています。そんな時代に、敬和学園は労作を通じて「瞬時には得られないもの」「じわっと味がしみこむ」ような教育をしています。
 以前、ある中学生が、オープンスクールに来てこんな話を聞かせてくれました。
 「私、校長先生がお話してくれた、『高校生活で勉強するのは、机に向かうことだけではない』、と言う話にすごく感動しました。こんな風に労作の時間がある敬和学園に是非、入りたいです!」と、言っていました。
 「労作」を通して、自分に出会い、他者に出会い、自然に出会い、そして神様に出会っていくことは多くの可能性を膨らませます。
 労作を通じてひとりでも多くの学生が「生きる力」を身につけていって欲しいと思います。
 それでは、しばらくの冬の休日の日々、それぞれ違った成長の果実、「労作」の時間を通して受け取った自分だけの成長をじっくりと味わいつつ、振り返ってみてください。
 皆様、良いクリスマスをお過ごしください。

(榎本)

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2016年12月8日木曜日

労作日記(2016.12.6) 【3年霧島クラス】

 12月6日(火)、霧島クラスの「発送労作」です。

 霧島クラスの人は、どんな仕事が得意かと言いますと、まさに、「事務仕事」は得意の様です。封筒に入れるのですが、教師が言わずとも、作業したものが間違っていないかを必ずチェックしたり、お互いの作業を細かく目配りしている姿がとても印象的でした。

 チームワークの形は様々で、男女別のチームもあれば、男子女子で分かれて作業しているチームがあるなど、個々のスタイルが心地よくできています。そんな様々なスタイルがありつつ、一定の決まった仕事をきちんとこなしてくれる霧島クラスでした。(榎本)

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2016年12月7日水曜日

労作日記(2016.12.6) 【3年富士クラス】

 12月6日(火)、富士クラスの「発送労作」です。5つの発送物を入れる方向を間違いないようにしながら・・・。

 このクラスは、多国籍に生徒が集まっています。彼らには、なんともユーモアな空気が漂います。ガーナから来ている人、カナダから来ている人、中国から来ている人、アメリカから来ている人など。担任の先生もアメリカ人。そんな多国籍チームでの労作も、どこと無く、異国情緒?あるふれる雰囲気で、労作に取り組んでくれました。(榎本)

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